「愛犬の笑顔が世界で一番好きだ!」
そう思っている飼い主はぜひ読んでほしい。
本の帯にこう書かれていたら・・・それはもう読むっきゃないでしょう!
馳星周氏の最新作「ソウルメイト」は犬の十戒から始まります。
チワワ、ボルゾイ、柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、バーニーズ・マウンテン・ドッグの登場する7つの短編が納められています。
スコティッシュ・テリアは登場しません。残念・・・。
とまぁ、それはいいとして。(笑)
どの物語もその犬種独特の魅力や犬とはどういう生き物なのかといったことを織りまぜながら、犬と人間との深い絆が描かれています。
中でもとりわけ、癌に冒され3ヶ月の余命宣告を受けてしまった馳さんの愛犬のバーニーズ・マウンテン・ドッグとの闘病を綴った物語が一番心に響きました。
私自身も余命宣告を受けたセナとの闘病を経験しているだけに、馳さんの悲痛な叫びが伝わり、読みながら涙が止まりませんでした。
私はセナの病気が発覚してからというもの、今までの人生でこんなに泣いた事があっただろうかと思う程泣きました。
犬と暮らすということ、そこには出会いがあり、共に暮らす日々があり、そして別れがありますよね。
その別れには想像を絶する悲しみがあります。
悲しみに打ちのめされそうになる度に、病気が治り健康な体に戻ったセナが虹の橋で元気に楽しそうに駆け回る姿を思い描きながら(あの子はこれでやっと楽になれたんだ、もう痛みに耐えて苦しまなくて良いんだ。)と自分に言い聞かせることで何とか立ち直ろうとしました。
今でもふと闘病中のセナを想うと涙が出ます。
それ程までに辛く悲しい経験をしながらなぜまた犬と一緒に暮らす事を選ぶのだろうと自問自答すれば、
“新たに迎えた犬がその悲しみを癒してくれて、再び始まる愛犬との生活には何ものにも代え難い喜びがあるから”
まさにソウルメイトなのです。
この本にスコティッシュ・テリアの物語はありませんでしたが、考えてみれば世界中のスコティッシュ・テリアと、そのスコティッシュ・テリアと暮らす人々のそれぞれの日々こそが「スコティッシュ・テリアの物語」ですよね。
読み終えた後に再び冒頭の犬の十戒を読み返し、愛する彼らとの限りある日々を一瞬一瞬を大切に紡いで行きたいと思いました。
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馳さんのブログワルテルとソーラとアイセと小説家もとても素敵です。是非是非ご覧になって下さい!